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2021/5/15

「オウンドメディアは〇〇のために使え!」SNSマーケティングの新しい使われ方とは。

株式会社ホットリンク マーケティング部リーダー / ホットリンク総研研究員朝山 高至

オウンドメディアを開設するとき、必ずといっていいほど選択肢に挙げられるInstagram。

 

今回のインタビューでは、4月15日に発売された『ゼロからわかるビジネスInstagram 結果につながるSNS時代のマーケティング』の著者である株式会社ホットリンク 朝山高至さんからオウンドメディアを持つべき理由、メディアとしてのInstagramの特徴、そしてその特徴を捉え、うまく運用している具体的な事例について教えていただきました。



著者:朝山高至(あさやまたかし)

慶應義塾大学総合政策学部卒。人材系企業で基幹事業のデジタルマーケティング全般を経験し、2019年にSNSマーケティング支援・グローバルでのソーシャル・ビッグデータの流通と分析を行う株式会社ホットリンクに入社。企業のInstagramマーケティング支援や、ソーシャルメディアマーケティングの研究機関「ホットリンク総研」の研究員としてInstagramマーケティングのメソッド開発に従事。Instagram世代の購買行動プロセス「UDSSAS(ウドサス)」を提唱。


―― そもそもの質問となってしまうのですが、企業がオウンドメディアとして自社のSNSアカウントを持つ意味はどのようなところになるのでしょうか?

UGCを生むための基盤づくりとしておすすめしています。

SNSでアクティブなユーザーとつながり、基盤を作っておくことで、ブランドについて言及されやすい状態をつくることができます。

SNS上でクチコミがされやすい基盤ができていると、たとえばアカウントから新商品情報についてお知らせしたときもフォロワーの方がいち早く購入してクチコミをしてくれたりしますし、マス広告などの大きなプロモーションを行なったときもフォロワー起点でCMやサービスについて語ってくれる人が増えるなどブランドについての会話の総量が増えやすくなります。


―― 「自社からの情報発信」を行うためにSNSを使うといったイメージがありましたね。

はい。いまお話しした内容は、UGCを増やすための基盤としてSNSを運営するといった考え方になります。実はまだ、SNSの使いかたとしてこのような考え方は浸透していません。

ですが、ホットリンクの今までの支援実績からケースにおいては「クチコミ数と売上に正の相関がある」ということがわかっており、このような考え方に基づいてSNSを活用していくことをおすすめしていますね。


―― さまざまなメディアと比較したとき、Instagramに特徴的なものはあるのでしょうか。

Instagramでの購買プロセスに大きな特徴があると考えております。

ホットリンクでは「UDSASS」というフレームを提唱しておりまして、ユーザーによる投稿から購入、そしてシェアまでの流れの頭文字を取ったものになります。



このフレームの中で特に注目していただきたいのが「ユーザー投稿によって循環が回る」というポイントです。
 
従来のマーケティングファネルでいうと下の図のように、上が認知でフェーズが進むにつれ下に落ちていく図で、広告を投入し続けてアテンションをとり続けるということが前提になっています。


一方でUDSSASの考え方だと、循環がまわり始めるとUGCがアテンションをとってくれ、そのアテンションによりまた新たなUGCがうまれ...といった形でUGCがUGCを呼び、モノが売れる状態になります。
UGCが一定量のアテンションを取ってくれるようになれば、アテンション獲得を広告だけに頼らなくてよくなるので広告費の削減にも繋がります。

Twitterと少し違うところでいうと「発見」の仕方が少し異なる部分があります。
Twitterはリツイートという人間による拡散機能があるので、フォローしていない人のツイートでもリツイートされることによって見つけることがあります。
 
Instagramでは人力の拡散機能が限定的であるため人間による拡散は起こりづらい設計になっていますが、代わりにInstagramのアルゴリズムに基づいてハッシュタグ検索や発見タブおすすめ上で投稿が外部に露出される仕組みになっています。
 
発見タブにおいては自分の興味関心に近いパーソナライズされたコンテンツが表示されます。何か特定のものを知りたいわけではないけどなんとなく受け身的にコンテンツを閲覧している中で発見をします。
ハッシュタグは例えばなにか料理を作りたいとなったときに、ハッシュタグを使ってレシピ検索がされてたりだとか。
 
フォローしている人からの投稿をフィードやストーリーズで発見することはもちろん、このようにフォローをしていないユーザーからの投稿を興味関心に基づいて発見していけるところがInstagramの良さだったりします。

Instagramのミッションは「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」。
分けて考えると、タイムラインやストーリーズはフォローしてるプライベートな繋がりを持った「大切な人とあなたを近づける機能」であり、ハッシュタグや発見タブおすすめは興味関心軸で「大好きなこととあなたを近づける機能」であると言えるでしょう。
 
そして、このように発見した商品をInstagramの「保存」機能やiPhoneのスクリーンショットをつかって後から見返せるように保存します。そして、さらに詳細な情報を知るためにInstagramやTwitterでクチコミを検索したりGoogle検索などで詳細検索をし、eコマースで購入したり、来店をして商品を買うといったアクションに結びついていきます。

―― ちなみにInstagramの運営において参考にすべきアカウントはありますでしょうか。
弊社支援先のジョンソンヴィルさん(@johnsonvile_japan)のアカウントはとても参考になりますね。
 
闇雲にUGCを増やしにかかっているのではなく、ブランド戦略として想起を強化すべきカテゴリを明確にし、そのカテゴリにおいてUGCを増やすためにはどのような運用をすべきかという思考の順番でブレイクダウンして運用をされています。
 
例えば
「キャンプの具材といえば...」
「ディナーのメインディッシュになる具材といえば...」
というカテゴリにおけるジョンソンヴィルの想起を強化し、選ばれるブランドになるという目的があればそれに紐付いて、アカウントからキャンプで使えるアウトドアレシピやディナーレシピを紹介し、ユーザーに調理をするアイディアとUGC投稿を促します。

UGCをストーリーズにリポストもされていますが、どの投稿をリポストするかもこのような注力すべきカテゴリに紐付いて選定しコミュニケーションに落とし込んでいます。
 
公式アカウントにリポストされたら誰しも嬉しいものです。リポストされたことで「また投稿しよう」と思ってくれるユーザーもいますし、周りから見ていたユーザーも「このハッシュタグをつけて投稿しよう」と思ってくれます。継続的にこのようなコミュニケーションを続けることで「ジョンソンヴィルを食べたらInstagramに投稿する」という暗黙の文化のようなものが醸成されていくのです。
 
結果としてInstagram上のジョンソンヴィルについての言及数は右肩上がりに増加しており、UDSSASの循環が回り始めています。


冒頭にも述べた通り、SNSを活用する目的は、顧客基盤を作ることでブランドについてUGCを生み出しやすい環境を構築することです。
Instagramを運用する場合には、自分からの発信を多くの人に届けるという観点だけでなく、Instagramユーザーひとりひとりに自分のブランドについて発信してもらうという考え方が非常に重要なのです。

ゼロからわかるビジネスInstagramについて、より深く知りたい方はこちら!

ゼロからわかるビジネスInstagram 結果につながるSNS時代のマーケティング戦略